期間:3月29日金曜日から5月26日日曜日まで
松浦武四郎は、幕末から明治維新にかけて激動の時代を生きた人物です。
幕末の日本はこれまでの鎖国政策から開国に向けて動き出す一大転換期でした。
薪、水、食料の補給や通商を求めてやってきた外国船の存在は、次第に幕府に大きな動揺をもたらし、それまで専制政治を敷いていた幕府の弱体化を招くとともに、日本を外国から守ろうとする動きは、幕府中心から天皇を中心とする体制で国家を立て直し、外国を武力で追い払おうとする「尊皇攘夷」の思想へとつながりました。
松浦武四郎は、ロシアから蝦夷地を守るために調査を行うなかで、幕府の志士たちと交流を深め、ペリー来航時には攘夷の勅命を朝廷から幕府へ下すよう求める密書と、吉田松陰など志士たちの海防に関する検索を預かって京に上ります。また、幕臣たちともつながりをもち、伊豆の下田で条約締結のために交渉を行うペリー一行の動向を詳細に記録するなど、幕末に大きな足跡を残しています。
今回の展示では、武四郎が幕末に活躍したさまざまな歴史上の人物と交流し、自らも志士としても活躍した姿を紹介します。
- おもな展示資料
鎖国論(武四郎 写)、戊戌夢物語(武四郎 写)、慎機論(武四郎 写)
吉田松陰書簡、藤田東湖和歌、豆遊日誌、阿蘭陀船図 など